IBDPを修了した卒業生に、プログラムへの2年間を振り返るインタビューを実施しました。志望動機から最も苦しかった時期、IBならではの探究の面白さ、そして2年間で培った「一生モノの力」など9つの質問を通じて、IB生のリアルな声をお届けします。
Q1:志望動機
IBは、この学校に進学したからこそ与えられた挑戦の機会でした。日本のカリキュラムで15年間学んできた中で、「これまでとは異なる学びに挑戦したい」という思いが次第に強くなり、IBを選択しました。特に魅力を感じたのは、IBの学習者像です。探究する人、コミュニケーションができる人、挑戦する人といった姿勢は、これからの社会で求められる力そのものだと感じました。日本の従来型の学習では、与えられた問いに正確に答えることが重視される場面も多いですが、IBでは自分の疑問を出発点に学習が展開されます。その主体的な姿勢こそが、将来の自主性や独自性につながるのではないかと考えました。さらに、課題や活動が多いIBで自己管理能力を鍛えることも、自分の成長につながると考え、最終的に挑戦を決意しました。
Q2:IBディプロマプログラムに進む前、一番不安だったこと
自分がIBの授業スタイルに適応できるのか、また学習スピードについていけるのか心配でした。これまで経験したことのないディスカッション中心の授業や大量のエッセイ課題に、自分が対応できるのか想像がつきませんでした。特に、8000字のエッセイなど各教科で求められる高度な課題をやり遂げられるのかという点は、大きな負担でした。
Q3:自分の価値観を揺さぶられた「学び」
HistoryのIAやEEの執筆経験でした。自ら問いを立て、史料を分析し、論理的に結論を導く過程を通して、「高校生でも歴史家になれる」という実感を得ました。受け身の学習から、自ら知を生み出す学習へと意識が変わった瞬間でした。また、TOKでは「知識とは何か」を探究する中で、すべての問いに明確な正解があるわけではないことを学びました。意見が平行線をたどることもありますが、それは対立ではなく、多様な視点の存在を示しています。重要なのは、他者の意見を理解しながら、自分の立場を論理的に築くことだと気づきました。実際に、課題の一環として学校内外の方々にインタビューを行い、宗教や言語、文化的背景が異なる人々の考えに触れました。その経験は、自分の価値観が決して唯一ではないことを実感させ、視野を広げてくれました。
Q4:最も苦しかった時期と、その乗り越え方
最も苦しかったのはYear 2の後半でした。IB入試を利用する予定だったため、Mock試験で結果を出す必要があり、同時に大学出願書類の準備やIAの最終提出も重なっていました。「本当にフルディプロマを取得できるのか」「志望校に合格できるのか」という不安も強く、さらに唯一のIB生であったこともあり、孤独を感じることもありました。しかし、その状況を一人で抱え込まず、DPコーディネーターの先生に相談し、やるべきことの優先順位を整理することで乗り越えていきました。課題を明確に分解し、一つずつ着実に取り組むことで、目の前の課題を克服していきました。精神面では、「まだ起きていない未来」を過度に心配するのではなく、「今できる最善」に集中することを意識しました。この姿勢は、その後の大きな支えとなりました。
Q5:IBならではの「探究」の面白さ
TOKやJapaneseの授業では、自分の疑問が出発点になります。その疑問を深掘りし、「なぜそう考えるのか」「どのような根拠があるのか」を言語化する過程は、思考を鍛える経験でした。例えば、同じ作品を読んでも、注目する点は人によって異なり、その違いを議論する中で、自分の視点の特徴にも気づきました。CAS、EE、IA、TOKのテーマを振り返ると、私は文化や国際交流、女性史など、人文学的なテーマに関心を持ちやすいことが分かりました。探究型の学習だからこそ、自分の興味の方向性を発見できたのだと思います。
Q6:自分の中に「一生モノの武器」として残った力
IBの2年間を通して、自己管理力や探究心、積極性を身につけることができたと感じています。困難な状況に直面しても課題を整理し、優先順位を立てて行動する力は、今後どのような進路に進んでも活かせる「一生ものの力」だと考えています。また、私は学校初のDP生であり、先輩がいない環境でした。そのため、IBに関する疑問が生じた際には、DPコーディネーターの先生を通じて元IB生の方々に連絡を取り、積極的に質問を重ねてきました。分からないことをそのままにせず、自ら行動して解決しようとする主体性が身についたことは、自分自身の大きな成長につながったと感じています。
Q7:IBに挑戦しようか迷っている後輩へ
もし海外大学を目指しているのであれば、IBは大きな強みになると思います。また、日本の大学でもIB入試を導入する学校は増えており、進路の新たな選択肢にもなります!IBでは、CASやEE、IAを通して、自分の興味が具体的な成果物として形になります。探究を重ねる中で、自分が何に関心を持っているのかを知ることができました。それは大きな自己発見だったと思います!しかし、IBは探究型・主体型の学習スタイルです。与えられた課題を着実にこなすことにやりがいを感じるのか、自分で問いを立てて考えることに面白さを感じるのか、それとも自分で問いを立てて考えることに面白さを感じるのか。挑戦する前に、自分の性格や学び方を見つめ直すことも大切だと思います。
Q8:あなたにとってIBでの2年間を一言で表すと
「自分を知る旅」だと思います!学力だけでなく、自分の興味、価値観など自分自身を深く理解する時間でした。
Q9:進学先と将来の目標
京都の大学で国際文化交流について学びます。IBで培った「違いを受け入れる力」と「探究する姿勢」を活かし、将来は異なる文化や価値観をつなぐ架け橋となれるような存在を目指したいと考えています。

