NOV 21

一人前

職員室ブログ

 だいぶ前の事ですが、ドイツの国のある駅で、数名の高校生ぐらいの年齢の人達が連なって、無人駅の木製の改札を順々に飛び越えて駅に入って行きました。いわば無賃乗車です。改札口のそばに大人がいましたが、何か言うのは怖いのか、何にも言いませんでした。

 そこで、「この国の人達はあれで良いのですか?」と尋ねてみました。するとその人から、「ああ、あれは一人前の人達ではありません。ですから、ああいう人達は一流の所には連れて行きませんし、一流の所には居られません。」と言われました。「一流の所には居られません。」という事は、「きちんとのするべき所ではきちんと出来なければならないこと。」「物事の善し悪しが判断できること。」が一人前の人の前提かと思いました。

 一流の所に居られる人、一人前の人、・・・日本では成人という事かと思いました。日本では18歳から選挙権が与えられるようになりましたが、飲酒や喫煙は20歳からと言われています。成人になる、大人になるとはどういう事でしょうか。大人になるとはある年齢以上になったとか20歳を超えたいうことなのでしょうか。一人前の人になるという事だと思いました。そして、教育は一人前の人にすることが大事ではないかと思いました。

 休み時間と授業時間の区別がつかずに騒いでいる人は、一人前ではなく半人前だと思いました。その場の雰囲気の読めない人のことを若い人達は「K・Y(空気を読めない人)」というそうですが、今はどうするべきか、どのような態度をとるべきかが解らない人、K・Yはまだ一人前ではないのだと思いました。一人前になるのは、何歳からという年齢で決まる事ではなく、それまでの育ち方や、仲間や、環境の影響もあるかと思いますが、出来る事ならみんな早く一人前の人になってもらいたいと思いました。

(校長 中山 理)

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